高齢者の増加に伴い、介護の仕事への需要が増加傾向だ。
体力が勝負であると思われがちだが、介護の職務は非常に奥が深く、仕事ができる人とそうでない人の差は考え方一つで大きく異なると言える。

福祉施設においては病気や高齢者であるために身体に障害が生じ、生活が困難となっている方ばかりではなく、認知症の利用者も多数いる。
認知症は記憶力の退化やそれに伴う不安などにおいて気持ちが不安定になる方も多い疾患であり、初めて接する場合には対応の方法などに戸惑いを抱くものだ。
介護の仕事では体力も重要であるが、このような利用者に接する場合は考え方や接し方などが大切になる。

朝ごはんを食べた直後に食べていないと言う利用者にどのような声かけをするのか、家に帰りたいと不穏になられる方にどのように接していくのかが介護の仕事においては重要視されるのだ。
仕事ができる人の考え方は決して相手を言いくるめようとしない人材だ。
ごはんを食べていないと言った利用者には「食べました」と言うのではなく「お腹が減りましたか?」と耳を傾けることや、帰りたいと出口を捜す方においては「帰りたいですよね」「帰って何をしますか?」などと相手の気持ちに寄り添い、時にはその不安材料に共鳴することが大切になってくる。

誰でも自分の不安材料をないものとして扱われたのでは納得はできないだろう。
それは認知症の疾患がある方においても同じだ。
介護において重要となるのは共鳴し、寄り添う心と言えるだろう。